そっと隣の柚瑠木(ゆるぎ)さんを見ると、彼は私に背を向けていて……寝顔くらい見せてくれてもいいのに、と思いました。
 ちょっと残念に思いながらも目を閉じると、まだ疲れていたのかすぐに眠りにつくことが出来ました。



「……んで………おねが……めて…うああっ……!」

 柚瑠木さんの大きな声に驚いて、私は目を覚ましました。唸り声のようで悲鳴のようでもあるその声が信じられなくて、ベッドから降りて柚瑠木さんに近付きます。
 そーっと柚瑠木さんの顔を覗き込むと苦悶に満ちた表情をしていて、とても普通に眠っている状態だとは思えませんでした。

「……柚瑠木さん?」

 名前を呼んでみても柚瑠木さんは、私の声には気付かないようで寝巻の胸元を掴んで苦しそうにしていて……

「うう……うして……めて……うううっ……!」

 もうこれ以上放っておけない、私は柚瑠木さんの身体に触れ彼を起こすために揺らし始めました。後で彼から怒られても構いません。

「柚瑠木さん!起きてください、柚瑠木さん!」

 普段出さないような大きな声を出して、柚瑠木さんの身体を揺らします。ビクリっと柚瑠木さんの身体が震えたと思ったら、彼はガバリと起き上がって……

「柚瑠木さん、よかっ……えっ!?」

 声をかけた私に、勢いよく抱きついてきたのでした。