恋愛アレルギー
嫌がらせ
そして翌日。


B組の教室へ入った途端咲子が駆け寄ってきた。


その目は好奇心でランランに輝いている。


「デート、どうだった?」


あたしの耳に顔を近づけて言う。


「う、うん。楽しかったよ」


瞬間にデート当日のことを思い出して顔が熱くなる。


また、あたしは耳まで真っ赤になってしまっているみたいだ。


咲子がニヤニヤとした笑みを浮かべて「よかったじゃん!」と、あたしのわき腹をつつく。


「メーク道具ありがとう」


あたしはカバンから咲子のポーチを取り出して言った。


「お役に立ててなによりです」


咲子はさっきからあたし以上に嬉しそうにしている。


「症状もでなかったんでしょう?」


「うん。大丈夫だった」


答えると咲子は安心したように微笑む。


「よかった。それじゃ本当に治ったのかもしれないね?」


「そうかもしれない」
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