イジメ返し―連鎖する復讐―
咲綾side
ーー咲綾sideーー

今までの中で一番すっきりしたイジメ返しだ。

瑠偉が折原先生と心中する結末なんて想像もしていなかった。

「最高!!おばあちゃんが死んじゃったのは残念だけど、多少の犠牲は仕方がないよね」

瑠偉たちの事件もあり、急きょ学校が休校になった。

あたしはエマと近くの公園で待ち合わせをし、次のイジメ返しの計画を練ることにした。

「……エマ?」

イジメ返しは成功したはずなのに、なぜかエマの顔色が優れない。

「多少の犠牲ではありません。おばあさんを巻き込んだことは失敗です」

「でも、瑠偉を育ててたのはおばあちゃんでしょ?ひどい育て方をしたから瑠偉みたいな人間に育っちゃったわけだし」

「それは違います。調べた結果、おばあさんはきちんと早乙女先輩を育てていたようです。イジメ返しのターゲットは本人だけでなく家族に及ぶ場合ももちろんあります。悪人であれば容赦なく叩きます。でも、今回は家族に危害を与えていい例ではなかったんです」

「別にエマが落ち込む必要ないよ」

煮え切らない様子のエマに若干苛立つ。

イジメ返しを提案してきたのはエマなのに、エマがこの調子じゃ先が思いやられる。

次で最後だ。

あたしを一番痛めつけたノエルへイジメ返しする。

そして、絶対に後悔させてやる。

アイツを絶対に許さない……。

「咲綾先輩は……変わりましたね」

エマが冷めた目をあたしに向ける。

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