イジメ返し―連鎖する復讐―

部活内イジメ

「あれ……?なんで?」

8時に桜南高校に集合のはずなのに、時間を過ぎても部員の姿はどこにも見えない。

駐車場や駐輪場の方に行っても誰の姿もない。

仕方なく駐輪場に自転車を止めて体育館の方へ歩いていく。

体育館では膝当てを付けたバレー部の子達がネットを張ったり忙しそうに動き回っている。

とても今日バスケの試合を行える様子ではない。

「え。なんで……?」

場所が変更になったんだろうか。もしかしたら連絡が来ているのかも。

スマホをとりだして確認するもなんの連絡も入っていない。

昨日の今日で気まずさはあったものの、バスケ部の3年で構成されたグループラインに連絡を入れようとしてふと気付いた。

グループトークに入ると表示されている名前はなぜかあたしだけだった。

「そんな……」

他の5人はほぼ同時刻に示し合わせたようにグループを退会している。

指が震える。まさかここまでするなんて……。

部長のノエルに連絡をしてみようか……?

でも、昨日の調子じゃ個人のアカウントもブロックされている可能性が高い。

他の部員に連絡をする……?でも、それが後でノエルに知れたらどうして自分に連絡をしてこなかったのかと怒るに決まってる。

それなら先生の緊急連絡先のスマホに電話をする……?

いや、個人的に電話なんてしたくない。先生のことは信用できない。

じゃあどうする……。一体、どうしたら……。
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