【短】懺悔、焦燥、相対、嫉妬、後悔 それはまるで世界の終わり
懺悔…それは、彼と彼女に向けたもの…。

大人になる一歩手前の微妙な位置、19歳。
高校を卒業して…慣れない大学生活に追われる日々。
怪しいサークル勧誘もなんとか逃げ切り、私は元々やっていたバンドサークルに入った。
歌を歌うことは楽しい。
でも、それ以上に…。

「よ、相田!ボイトレどーお?」
「堀越くん!うん、なんとかファルセットの高音域出せるようになったよ」

ぽんぽん
私の頭を撫でて、優しく笑うのは…同じサークルの堀越くん。
優しくて人望のある彼は、学年こそ一つ違えど、気さくなその人柄から先輩呼びなんてしなくても、全然平気な不思議な人。

そんな気さくな彼には、とびきり可愛い同級生の彼女が既にいる。
いつも手を繋いで寄り添って…傍から見ても憎いくらいに仲良しなのが伝わってくる。

それなのに、私は彼のことが好き…だ。
だから、彼が声を掛けてくれる度に、深い懺悔をするんだ。

好きになってごめんなさい、と。




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