未来の種ーafter storyー
愛する妻との日常

「ただいま〜」

「あっ…‼︎ ゆ、優! おかえりなさい!」

ん? なんだ、今の反応は。
タブレットを見ていたような…

「ただいま…どうかした?」

「ううん! なんでもないの。
あ、えーと…名前。そう、名前を考えてたのよ。ほら、内緒にするって言ってたからね!」

「あー、そっか。」

でも今、音楽が流れてたような…
ショパンの『子犬のワルツ』?
胎教か? それなら俺が弾くのに。

「良い名前考えたか?」

「うん。3つに絞った。どれも捨てがたいの。」

「そっか。楽しみだなぁ。俺も考えてるよ。でも、顔見てから決めても…なんか雰囲気ってあると思うんだよな。だから今、完全に一つに絞らなくてもいいんじゃない?」

「そうよね! 私もそれは思ってたの。
…あ、ご飯温めるね。すぐに出来るから。今日はね、バターチキンカレーに挑戦してみたの。昨日からチキンをヨーグルトに漬け込んでたんだ〜。辛さは生姜で調節出来るから、妊婦でも安心だよね。」

「お〜楽しみだなぁ!
ナンはあるの?」

「もちろん! 結構簡単に作れたよ。」

「え、作ったのか⁉︎
大丈夫か? 無理してない?」

「うん! 大丈夫。悪阻はすっかり治ったし。料理が楽しくて。すぐに温めるね〜。手を洗ってきて。」
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