【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

「ありがとう…。借りた洋服は洗濯して返すわ。 自分のドジ加減が情けない…。
何かお礼をしたいわ…。 迷惑をかけちゃったし」

「いいっていいって。本当に俺的にはラッキーだったし」

「でも……!!私は人に借りを作るのは嫌いなのよ……」

そこまで言いかけると、海はうーんと何かを考えるように頭を捻る。
そして澄み切った真っ黒の瞳が悪戯に瞬いた。

「じゃあ、デート一回で。」

「は………?」

「今度の休日、どこか一緒に遊びに行こう。 それでチャラって事で」

「何で私があんたと……」

「人に’借り’を作るのは嫌いなんでしょう?」

悪戯に微笑んだその顔は、まるで悪魔みたいだった。  弱みを握られてしまった気分だ。
けれど最もな海の言葉を前に何も言えなくなってしまう。

「まあ、’恋愛の達人’のレナちゃんにとったらデート位大した事ないでしょお?」

< 53 / 295 >

この作品をシェア

pagetop