極上パイロットの赤ちゃんを溺愛初夜で宿しました
答えはエンゲージリングとともに


沖縄旅行から帰った一週間後――。
美羽はお昼に百合香を誘って展望デッキにやって来た。日差しはだいぶ暖かくなったが、風はまだ冷たい。

美羽がいつも座っているベンチに並んで腰を下ろす。前日のうちに百合香に【お昼に時間を取ってください】とメッセージを送っておいたため、ふたり揃ってお弁当持参。とはいえ、美羽は相変わらずゼリーだけれど。

本当は旅行から帰った翌日には百合香と話したかったが、彼女の子どもが風邪をひいてしまい急きょ一週間の休みとなっていた。


「藤倉さん、冷えない? 大丈夫?」
「ありがとうございます。大丈夫です」


風を通さない厚手のコートで防寒をしっかりしているから、手と顔以外はまったく寒さを感じない。


「それで話って本郷さんと沖縄に行ったこと?」
「えっ、どうしてご存じなんですか!?」


美羽から話す前に百合香から言われてしまった。ほかの航空会社を利用したのにどうして知っているのだろうか。
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