どうして……こんなことになっているの?

由佳は目の前で怜悧な笑みを浮かべる大藤を、ただ見つめることしか出来なかった。

「どうしました?息が……早い……。」
楽しそうで、そのくせ冷静で。

由佳はただただ、息を乱して、その瞳を見返すことしかできないのに。



食事に付き合ってほしい、と大藤に言われて、その店のコース料理を食べに行くことになった由佳だ。

子供の頃から食に関しては、かなりうるさく言われているし、自分の舌にも自信がある。

しかし由佳は、普段それを表面に出すことは、しないようにしていた。

食事は味だけではない、と思うからだ。

その時の気の合う友人であれば、一緒に過ごす時間を楽しむもので、料理はさらにそれに味を添えることが出来たらいい、くらいに思っている。

今度、お客様を招待するというそこは、披露宴なども行われるようなレストランで、雰囲気の良さや、オシャレ感のあるところだ。

んー、見た目はゴージャスだけど、造りは大したことないなあ……。