【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚



 お父さんは父親である前に、社長だ。何百人もの社員を束ねる会社の責任者だ。仕事ばかりだと思っていたけど、そういう訳でもなさそうだ。

「……ねぇ、お父さん」

「ん?どうした?」

「お父さんは、なんでお母さんと結婚しようと思ったの?」

「ん?んー……それはだな」

 お父さんはそこで口ごもってしまった。  

「それは?」

「あれだ。一番身近にいた異性が、美優紀だったからだ。俺の秘書をしていたし、一番俺のことをよく知ってる人っていうのもあったしな?手堅くいくなら、美優紀かなって思って」

「……お父さん。よく考えたら、お父さんサイテーなことしてるよね?」

 そう思うのは、わたしだけだろうか?だって一番近くにいた女を妻にしたんでしょ?ちょっとそれって、あり得なくない?

 信じれられないんだけど。お父さんって結構、サイテーだったの?

「そんなことはない……と思う」

「お母さんも、よくお父さんと結婚する気になったね?」

 わたしなら絶対に無理だもん!お父さんみたいな人! 絶対結婚なんてできない!
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