幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
――あの日は絶望していた。自分の存在自体を否定されたと思っていたから。でも、今は違う。
リーゼには頼れる仲間がいる。
名前を取り戻すことができれば、公爵のことなんて気にしない。
「リーゼロッテ・フリードベルク。そなたに、クラウスナーの姓と伯爵位を与える。今後は、リーゼロッテ・クラウスナーと名乗れ。デリモの地を公爵領から、クラウスナー伯爵領の領地とし、そなたが治めるとよい」
「……はい、陛下。ありがとうございます」
公爵家とは縁を切るけれど、リーゼとフランと母の縁は切れない。母の方に目をやれば、胸に手を当ててうんうんとうなずいていた。
「……リーゼロッテ」
リーゼの方にかつて"父だった"人が手を差し伸べる。そんな彼を、リーゼは無表情で見返した。
「公爵。私はあなたが大嫌い。あなたは、自分の思うままに家族を操ろうとした。それって、本当の家族って言えるのかな? 私の家族は、お母様とフラン――それと、デリモのみんなだよ。あなたのことなんて知らない」
いつもは自分のことを”リーゼ”と呼んでいた。フランチェスカに合わせて、子供のふりをするために。でも、今は違う。
リーゼには頼れる仲間がいる。
名前を取り戻すことができれば、公爵のことなんて気にしない。
「リーゼロッテ・フリードベルク。そなたに、クラウスナーの姓と伯爵位を与える。今後は、リーゼロッテ・クラウスナーと名乗れ。デリモの地を公爵領から、クラウスナー伯爵領の領地とし、そなたが治めるとよい」
「……はい、陛下。ありがとうございます」
公爵家とは縁を切るけれど、リーゼとフランと母の縁は切れない。母の方に目をやれば、胸に手を当ててうんうんとうなずいていた。
「……リーゼロッテ」
リーゼの方にかつて"父だった"人が手を差し伸べる。そんな彼を、リーゼは無表情で見返した。
「公爵。私はあなたが大嫌い。あなたは、自分の思うままに家族を操ろうとした。それって、本当の家族って言えるのかな? 私の家族は、お母様とフラン――それと、デリモのみんなだよ。あなたのことなんて知らない」
いつもは自分のことを”リーゼ”と呼んでいた。フランチェスカに合わせて、子供のふりをするために。でも、今は違う。