こうして、リーゼはリーゼロッテの名を取り戻し、妹にフランチェスカの名を返すことができた。
 フリードベルク公爵領デリモは、クラウスナー伯爵領デリモと改められ、リーゼロッテがクラウスナー伯爵領初代当主となったのである。
 追い出された時のことを考えれば、ものすごい出世だ。

(……今日も、デリモは変わらないな)

 屋敷の窓から、リーゼは満足げに街の方を見やる。
 窓から見える範囲でも多数の人が行き来していて、デリモが今まで以上の繁栄を迎えているのがよくわかる。
 公爵領から、伯爵領に変更になり、デリモの人達が嫌がるかと思ったけれど、皆すんなりと受け入れてくれた。長年の間、この地を放置し続けた公爵より、リーゼを認めてくれたということだ。

(……あの人は、すっかり勢力を失ってしまったみたいね)

 オルシウスが届けてくれた母からの手紙を読み返し、リーゼは天井を見上げた。
 あれ以来、オルシウスと彼の部下の中でも力を持つ者がデリモと都を往復して手紙を届けてくれるようになった。