志岐さんと夏目くん
ただのクラスメイト


………

……




翌日。

私も夏目くんも、いつもと変わらない学校生活を送っていた。


夏目くんからの連絡は、昨日の夜が最後。

今日は一通も届いていないし、私も彼にメッセージを送ることはなかった。


お互いの生活を、お互いの生活のまま送る。

普段と何も変わらない一日だ。



──昼休み。

夏目くんはいつもと同じように、たくさんの友達に囲まれながら楽しそうに笑っている。

……よかった。

昨日の放課後は“元・友達”のせいで嫌な時間になってしまったけど、今日はもう平気そうだ。

メッセージのやり取り中もずっと楽しそうな感じだったし、きっともう大丈夫。

むしろ私が心配する必要なんて、初めからなかったかもしれない。


だから私も、いつもと変わらずに昼食後の のんびりタイムをスマホを見ながら楽しんでいた。

……と、その時。



「ねぇ、ちょっと聞きたいことがあるんだけどっ」



という少し大きめな声がした。

その声で、教室内の視線が一気にこちらに集まる。


どうやら……声をかけられたのは私らしい。

ふと横を見ると、二人の女子が私を睨みつけていた。

どちらも別のクラスの子だ。


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