誰を?何を?見ているの?

☆☆凪


彩葉に寄り添うとも子に
惹かれて行った。

だが、いま告げるのは
不謹慎だし···
自分の中でも
彩葉の事と·····
遥を失った事で
いっぱい····いっぱい···だった

とも子は、
そんな俺の気持ちを理解してくれて、
そっと、俺にも寄り添ってくれた。

そんな、とも子が
俺の癒しとなって行った。

彩葉とは違う
綺麗なとも子は、
男子学生からも人気があり
お互いにヤキモチや嫉妬で
喧嘩することもあった。

俺が外科
とも子は、産婦人科と
部門が違うから
会えない日も多かった

一年に会えるのは、数えるほど

とも子から何度も
別れを言われるが
絶対に手放さない。
毎回、却下する。

恋人らしいことをしてやりたい
存分に甘えさせてあげたい
だが、いまは、踏ん張り時なんだと
言い聞かす。

とも子の実家は地方の為
1人でマンションに暮らしている
彩葉は、都内だが
あいつは、1人で暮らしている

とも子と彩葉は、お互いに往き来して
いるようだが·····

話さなくても
夜中にとも子のマンションに行き
寝ているとも子をそっと
抱き締めて寝る。

目が覚めた時には、
とも子は、いない事が多いが
食事の準備を必ずしてくれている。

それを食べて
また、がんばる。

そんな俺達が結婚した。

彩葉は、バカみたいに
ずっと泣いていて
とも子も一緒に泣き

どんだけ、仲が良いのやら···

俺の愛する嫁と
俺の大事な幼馴染みが
仲が良い事が嬉しい。

とも子は、俺が幸せにできる。

だが、遥。
彩葉は、誰が幸せにするんだ。
なんで、お前、いないんだよ。
なぜ、なんだよ!

俺やとも子では、限界がある。

彩葉には、毎日、楽しそうに
笑っていて欲しい。


と·····思っていると·····
< 51 / 85 >

この作品をシェア

pagetop