アトリエで玲於奈さんと打ち合わせ中、私は上の空だった。

そのせいかほとんどなにも進んでいないうちに「お茶にしましょうか?」と声をかけられる。

「本当に申し訳ありません」

ウエディングドレスの資料をまとめた横にアトリエのスタッフが、チョコレートや焼き菓子が載ったお皿とハーブティーが入ったティーカップをセッティングしてくれた。

「なにかあったんですか? 私でよければお話を聞きますよ」

玲於奈さんは私を安心させるように顔をほころばせた。迷惑をかけた上に気まで遣わせてしまい、身の縮む思いがする。

「……実は働きたいと思っているのですが、私に勤まる仕事はあるのかと少し悩んでいて……」

さすがに詳細は打ち明けられず、結論だけを話した。

お義父さまはもうあのお金のことは気にしなくていいと言ってくれたけれど、私はまた別のお金が必要になってしまった。

母に仕送りするためには、私が仕事を見つけて稼ぐしかない。

でもどこで働けばいいのだろう。