捨てられママでしたが、天才外科医に独占欲全開で溺愛されています

昌也side

俺は朝から幸せな気持ちで目が覚めた。
昨日寝た時と同じように千佳は俺の腕の中で寝息を立てていた。

昨日はクマがあり、頬も少しこけたように見えたが今日は顔色が良さそうだ。

またギュッと抱きしめたくなるが千佳を起こしてしまいそうで出来なかった。

でももういつだって千佳をギュッと抱きしめることができるんだ。

俺が千佳の寝顔を見ていると智也が目を覚ました。

俺と目が合うと笑っている。

手招きでおいで、というとハイハイしてきた。

俺は智也を抱き上げ隣のソファに行く。

熱はなさそうだ。

「智也、お茶飲もうか。」

「あーい」

「朝からご機嫌だな。いい子だなぁ。熱が下がって楽になったかな。」

抱いたままキッチンでお茶を入れた。

智也に飲ませるとゴクゴク飲み干す。

湿疹は出ているが顔色も良さそうだ。

俺の腕の中で俺の顔に手を伸ばしてくる。
智也の小さな手は可愛らしく、俺の顔を触ったりしてくる。

自分の血の繋がった子だと思うとなんで可愛いんだろう。

でも言われなくても血の繋がりを感じる。 
輪郭や髪型などは割と千佳に似ていると思う。
笑った顔も千佳だと思う。

けど、目元や鼻筋、特に指が俺に似ていると思う。
全体的に俺の小さな頃の雰囲気に似ている。

智也を抱いているとグッと込み上げてくるものがある。

俺の血がこの子にも流れてると思うと感慨深い。

自分が親になるなんて…、いや、もうなってるなんて思いもしなかった。

でも喜ばしい驚きだった。

俺の人生でこんなにすごいことが起こるなんて思いもしなかった。

そのくらい驚いたが嬉しかった。

智也の重さを噛みしめることができ、ずっと抱いていたいくらいの幸福感に浸った。
< 75 / 103 >

この作品をシェア

pagetop