きらめく星と沈黙の月
この野球部が大好きだ。


夢に向かって真っ直ぐで一生懸命。


全員が夢を叶えられると信じている。


輝かしくて眩しいこの景色が大好き。


気持ちを切り換えるのは容易ではなかったはず。


それなのに、皆もう前を向いている。


きっとそれは…皆の先頭に立つ碧が前を向きはじめたから。


言葉で引っ張るキャプテンじゃなく、態度やプレーで引っ張る影のキャプテン。


それは少年野球時代と変わらない。


“絶対甲子園に行く。お前らとなら絶対に夢は叶えられる”


ビッグマウスなところも、自信ありげに振る舞うところも。


「眩しっ…」


春をすっ飛ばし、夏を告げる太陽の光が目に入った。


日光は、目下で走り回る希望の星たちをキラキラと照らしていた。
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