今日も君に恋焦がれる

愛おしい命

それから日に日に体調は悪くなっていった。


欠勤も早退も増えはじめたこともあり、部長には全てを打ち明けた。


相手が葵くんということだけを伏せて。



「はぁ…」



治ることのない吐き気と闘う日々。


仕事に全く集中できない。



「胡桃、そろそろ時間じゃないの?」



と琴音が腕時計を見ながら言う。



「あ、本当だ。ごめん。行ってくる」



吐き気がひどく、飲食が難しいわたしは産婦人科で点滴するようになっていた。


今日はその点滴の日。
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