冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
車に乗ってしまえば意外と近い箱根。

日々の疲れを取りにきたのに運転させていて余計に疲れるのではないか、と思うが運転も気分転換だからと言われると言い返せない。
ありがたく隣に座らせていただく。

箱根のガラスの森美術館へ寄り道してくれた。
私が以前琉球ガラスを気に入っていたことを覚えていてくれた様で、「玲奈はガラスが好きなんだよな?」といってくれた。

何気なく言ったことを覚えていてくれたことに嬉しく思う。

私はガラスの森美術館を見て回り、カフェでお茶しながら庭園を眺めていた。
のんびりとした気持ちになりついボーッとしてしまう。ここで飲んだハーブティーがとても美味しかったせいもある。
2人で取り留めのない話をしてのんびり過ごした。

お土産にワイングラスを買ってくれた。
使うのがもったいないくらい素敵なグラス。私が見つめていたのに気が付いた響さんが店員さんに声をかけて買ってくれた。

「優しいご主人ですね」と声をかけられ、真っ赤になりながら「ありがとうございます」と小さな声で返した。

なかなか慣れないこの会話。
こんな素敵な響さんが私の旦那様だなんて契約でなければ有り得ないこと。

どう見ても釣り合いが取れていないでしょう。
店員さんから見てどう思うんだろう。
素敵な旦那様であることは間違いない、けど隣に私がいるのは不釣り合いだと思われてるよね。
こんなイケメンでスタイルのいい人の隣にいるのが全て平均的な私だなんてね。

契約じゃなければ成り立ってない不釣り合いさにショップのガラスたちに映る私達の姿を見て苦笑した。 

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