翌日。瑞希さんが仮の宿にしているホテルで、一緒に朝を迎えた。彼と抱き合って眠り、久しぶりに熟睡できたような気がする。

「おはよう、葉月」
「お、おはようございます」
 
 瑞希さんの朝から爽やかな笑顔に、一気に目が覚める。普段はきちんと整っている髪が寝起きで少し乱れているのを見つけて、それだけでテンションが上がった。
 
 彼と一緒に寝るのは初めてじゃないのに、少し間があったからか照れくさくてたまらない。

「身体は? どこか気分の悪いところはないか?」
「はい、もう大丈夫です」
 
 瑞希さんの気遣いが嬉しくて少しだけ近づくと、甘えたくなって彼の胸に顔を寄せた。

「葉月のほうから寄ってくるなんて、どうした? かわいいな」
 
 瑞希さんの声が耳に届いて、信じられない言葉に身体が瞬時に熱くなる。衣越しに彼の体温を感じていると、少しだけ身体を下げた瑞希さんの唇が私の唇に触れた。
 
 驚いて目を開けたままでいると、瑞希さんにふっと笑われる。慌てて目を閉じたけれど瑞希さんはすぐに唇を離し、私の髪を優しく梳いた。