かりそめ蜜夜 極上御曹司はウブな彼女に甘い情欲を昂らせる

「本当はもっとしたいんだけどな。これ以上するとやめられなくなりそうだから、今日のところは我慢する」
 
 瑞希さんは自嘲気味に笑って、温かい腕で私を抱き寄せた。

「我慢って……。それより瑞希さん、手紙ありがとうございました。嬉しくて感動しました。瑞希さんと別れてからまた自信なくしてたけど、今のままじゃダメだって居ても立っても居られなくて飛んできちゃいました」
 
 だからもう絶対に離れないと言わんばかりに、彼の背中へと手を回し入れた。

「恥ずかしい話、どういえば想いが伝わるかとかなり悩んだ。あの手紙を葉月のデスクに置いたあととんぼ返りで名古屋に戻ったけれど、今日葉月に会いに行くつもりだった」
「そうなんですか? じゃあどちらにしても会えたんですね、私たち。瑞希さんの手紙のお陰です」
 
 ゆっくりと顔を上げ、瑞希さんを見つめる。瑞希さんは私の前髪を掻き分けると、額にキスを落とす。彼の唇の熱さを感じて、頬が熱くなる。


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