ツンデレ魔王様と同居生活はじめます。
屋上での語り合い







バッシャーン!!!





――このまま終息するかも、なんて思った私がアホでした。





トイレの個室で、自分の水がしたたるずぶ濡れになった制服を見ながら、そんなことを思った。



人は思いもがけない場面に遭遇すると、案外冷静になるのかもしれない。





ただいまの現状をお伝えすると、



3限目と4限目の間の10分休憩中、トイレの個室に入ったところ、何者かに上からバケツで水をかけられた。



水をかけられた直後、バケツを床に投げ捨てる音と、クスクス…と何人かの女子が笑いながら立ち去る音が聞こえたけど、それだけじゃ犯人は到底わからない。





はぁあ~冷たっ寒…!!



まさか自分がこんなに古典的なイジメを受ける日がこようとは。





どんより底に沈んだ気分でドアを開けた。



そこには誰もいなかった。




そんな私を無情にも嘲笑うかのように、4限目開始を告げるチャイムが鳴る。





「はぁぁ…どうしよう…」




このままじゃとても教室になんて戻れないし、着替えのジャージも教室のロッカーだし。




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