あなたは運命の人
頭に優しく撫でられている感触がする。

凄く落ち着く……

桐人君が泣いている私を宥めるために撫でてくれているのかな?




「おはよう。朝食出来てるよ」




その声に脳は一気に覚醒し、私はガバッと起きた。

ベッドの横、朝日をバックにしてスーツ姿の桐人君が立っていた。

「目覚め良いね」

朝の日差しより眩い神々しい笑顔。

最強の目覚まし。

それよりもだ。
私達はソファに居たはずなのに、いつの間にか辺りが明るい。

「私、ソファで寝ちゃったの!?」

「泣き疲れて寝ちゃったね」

昨日一緒に眠ることに緊張せずに済んだが、申し訳なさと恥ずかしさで頭を抱えた。

「顔を洗っておいで」と言いながら彼は寝室から出て行った。
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