お前じゃないとイヤなんだ
お前じゃないとイヤなんだ


雨の日は、キライ。

だけど……ちょっとだけ、スキ。


「なぁ。傘忘れた。入れろよ」


6月もすでに半分が過ぎた、ある日。

この日の授業が全て終わり、放課後。

昇降口で傘を広げて帰ろうとしていたわたしに、幼なじみのアイツが声をかけてきた。


今日は朝からずっと、ザーザー降りの雨。

雨の日は、ただでさえテンションの低いわたし。


「おい、お前。聞いてる?」


「" 入れろよ " ってねぇ。それが、人に何か頼むときの態度?」


「はぁ? 俺ら帰る方向一緒なんだし。
別に良いだろ? 俺とお前の仲じゃん」


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