「いろちゃん」
「ん?」
「今日だけ、クラブに行くの許可くれない?」
「え……?どうして?」
朝食中、不意に魁聖に言われ動きが止まる彩羽。

「あ……待って!そんな顔しないで?」
今にも泣きそうに顔が歪み、あっという間に目に涙が溜まっている彩羽。
「仕事で行かなきゃいけないとか?
そんな毎日行かなきゃいけないの…!?
仕事なんだったら、行かないでなんて言わないけど今日はやだ!
昨日の今日だよ?どうして?」
「あのね、理恵に言っておきたいんだ!
俺がどれ程いろちゃんを愛してるか!
今日会ったら、本当にもう二度と会わないって誓うから!」
彩羽の頬を包んで、目元を拭った。
「ほんとに?」
「うん!誓うよ!」
「わかった。魁聖を信じる!」
「ありがとう!指きりでもする?」
「いいよ」
魁聖が小指を差し出すと、彩羽も小指を絡めた。

「フフ…可愛い~!!嘘ついたら、どうしてほしい?」
「え?そうだなぁ。あ!一日中私の言うこと、何でも聞いて?
しかも、拒否なしだよ!」
「フフ…わかった~!」

そこで漸く、笑顔を取り戻した彩羽だった。

そして行きの車内。
「社長」
「あ?」
「どうされたんですか?」
「どうやって消そうかなぁって考えてるとこ」
「今度は誰を?」
「理恵」
「そうですか」
「なんだよ!?」
「いえ…僕は、貴方の忠誠を誓っているので、何も言うことはありません。
貴方が消すとおっしゃるなら、何でも致します」

「フフ…式部は賢いもんね!
俺、賢い人間は好きだよ?
最近さぁ、バカばっかなんだよね~
ほんっと疲れる……」