「洋武、本当にバカになっちゃったんだね。
賢い洋武、大好きだったのに……」

「魁聖、彩羽を解放しろ!?」

「無理だよ?
彩羽がいないと生きていけないもん。
息もできない。何も手につかない。
壊れてしまうから」


「魁聖!!頼む!!
これ以上、彩羽を……苦しませないでくれ……」
洋武は彩羽から離れて、床に土下座した。
床に頭をこすり付け、懇願している。

「だったら……選んで?」

「え?」
「俺か洋武。
どっちかを殺して?洋武」
「は?」
「洋武、俺がこの世にいる限り、彩羽は解放されないよ?洋武が自分で死ねないなら、俺が殺してあげてもいいよ?
その代わり、洋武が選んで?」

「ダメーーー!!!」
「彩羽?」

「ダメ!!やめて!?
私、魁聖のとこに帰るから!
お願い!そんなこと、やめて!!
私の意思で、魁聖のとこに帰るから!!」
目に涙を溜め、ぼろぼろ流しながら訴える彩羽。

「彩羽、言ったよね?
彩羽に触れたら、消去確定だって!
例外なんかないよ!」
「魁聖!!お願い!」
「洋武、ほら!選んで?」

「わかった。俺が死ぬ」
洋武が静かに答えた。

「はぁーやっぱりね……」
「は?」
「洋武、お前には決定的に足りない物がある」
「え?」
「それはね、俺を殺す無情さだよ?」
「え……」
「彩羽の元彼の時もそう。
結局、情が邪魔して洋武自身が傷つかない方を選んでる。
本当に彩羽を解放したいなら、当の昔に俺を殺してるはずだろ?」