✾~クールな天才脳外科医と甘~い極上の結婚を~✾
勘違い
当初は、明日まで滞在予定でいたけれど、天気予報は見事に外れ今日明日と雨予報でガッカリ。

大好きな沖縄旅行の目的は、透明感溢れる美しい海を眺めてひたすらリラックスする事。

雨なら居ても仕方ないと思い午後の便で帰る事にした。

何より紫音が、私と過ごす為に予約した部屋にいるのが心苦しい。

でもそれ以上に……逢いたい。

パンを食べながら空きの便を探し変更手続きを済ませ、朝食後すぐに帰り支度を始めた。

そして余裕を持ってヴィラを後にし、くすんだ空と海を眺めながら那覇の免税店に向かい親友・菜緒からの頼まれ物を購入した。

そして午後六時半に中部国際空港に到着後、名鉄線に向かいながらスマホを見ると朝陽君から三回も着信が入っていた。

仕事中に珍しい……奇跡!?

夏は、脳外の患者さん減少でも朝陽君ならやることあるだろうに。

気を使わせて悪いと思う反面、嬉しくてニヤけそう。

旧棟屋上で夕焼け空見ながらくれた?

彼の夕陽に照らされた憂いある横顔は、堪らなく胸が切なくなり永遠に見つめていたいほど美しい。

つい写真撮りたい衝動に駆られるけれど、グッと堪えて私の心の宝箱に収めて我慢してきた。

その姿を想い出し胸キュンしながら折り返すと、即通話画面になり慌てて耳にスマホを当てた。
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