ソウ様からの幸せ
出会い
出会い.1

絃「んんっ、、、」
パチリと目を開ける
絃「え……」
目の前には、豪華な御屋敷そして、大きな桜の木
絃「綺麗……でもここどこ?」
辺りを見渡すと。人も何もいない
ソウ「誰だ…お前…」
絃が声のする方に顔を向ける、すると顔立ちが美しく。目は宇宙から取ってきたかのように青くそしてキラキラと光っていた。だけど今向けられている目は警戒。
絃「ここはどこですか?」
恐る恐る絃は聞く。
ソウ「お前にそれは教えられない。名を申せ」
絃「絃です…………」
ソウ「大きな声で」
絃「絃です…」
ソウ「聞こえない」
絃「いとっていってるでしょーが!」
絃が怒鳴る。
ソウ「それくらいの怒れる力はあるんだな…」
少し寂しそうに笑う
絃「そっちの名前はなんです?」
ソウ「ソウだ…本名じゃないがな」
絃「本名言ってくださいよ!」
ソウ「すまない。あだ名でね。皆にこう呼ばれてるんだ」
ソウ「気に入った。だけど礼儀、服装が整っていないな…………来い」
絃「えっ。あっ」
パチン!ソウが指を鳴らす
いきなり絃の袖を掴まれたような感覚に陥った
しかし、掴まれたように感じた場所には手が無い。だけど引っ張られて行っている。ソウの歩く方に……
絃「何よ!これ」
違う御屋敷に入る。すると目の前には様々な世界の民族衣装があった
ソウ「この中から俺が、お前に似合う服を決める」
絃「嫌だ!」
ソウ「何故?」
絃「元の世界に戻して。ここ違う世界でしょ!」
心臓の鼓動が早くなるのを感じた。
ソウ「それは無理だ」
絃「え、なんで?」
ソウ「俺は今までお前が生まれてからの成長を見てきた。だけど今のお前はあの世界に居ると絶対に死ぬ」
絃「は、は?死ぬわけないじゃん」
ソウ「元の世界に戻ってなにが出来る?」
絃「それは……………」
母は私を産んで直ぐに死んでしまった。
父は女と逃げた。
今まで私は華保(かほ)という同級生にイジメを受けてきた。靴を隠されるのは日常茶飯事。時々殴られたり、蹴られたり、物を奪われたり。。。。
何故か視界がぼやけてくる。
泣いてるんだ…
ソウ「今まで救えなくてすまない。」
絃「いいの………もう」
鼻をすする
ソウ「もう我慢しなくてもいい。俺がこれから世話をする。完璧になったら俺の嫁になれ」
絃「え…?」
ソウ「世話といっても。家の者に全てやられるがな」
絃「私じゃあ元の世界に戻らなくていいの?」
ソウ「勿論。」
また涙が溢れる
ソウ「悲しくて泣いているのか?」
絃「いや、違うの………嬉しくて…私を必要としてくれるような人が居たってお母さんに報告出来るから。だから嬉し涙だよ」
ソウ「そうなのか…」
ソウ「さぁ決めるぞ、服を」
絃「うん…」
ソウ「お前は黒髪で髪が長いから…………日本の着物はどうだ?」
絃「私一応日本人ですからね(ボソッ)」
ソウ「今なにか言ったか?」
絃「ギクッ、言ってない」
ソウ「本当か?見てくれ。すごく似合いそうな着物だそ…」
その着物は桜が散りばめられていて、春を感じさせ。そして穏やかな色…。
絃「綺麗………………」
ソウ「これにするか」
絃「えっ、私お金持ってない…」
ソウ「俺がもうここにある服買ってある」
絃「勿体ないですよ!」
ソウ「選ばれなかったのは貧しい人々にあげるつもりだ…」
絃「す、凄い…」
ソウ「そういうことをしないと、差が生まれてしまう。そうだ…お前は今日からここに住むから水神様に挨拶に行かなければ」
絃「挨拶?」
ソウ「そうだ。この世界を牛耳る王と言っても過言でもない方だ、呉々も失礼のないようにたのむ」

少し歩いたすると、大きな宮殿が目に入る
中に入ると、豪華なシャンデリア、多人数の使用人
使用人「お久しぶりで御座います。ソウ様」
ソウ「久しぶり。水神様は今どこに居るかな?」
使用人「牡丹の奥の間です」
ソウ「了解。ありがと」
黙って絃は付いていく
すると目の前には金箔で飾られた。襖が目に入った
ソウ「失礼致します」
水神様「その声は、ソウかね?」
ソウ「はい。御元気そうで何よりで御座います」
水神様「要件を」
ソウ「はい。この世界で住みたいという、少女を連れて参りました」
水神様「そこのお嬢さん。此方に来なさい」
ソウ(お初にお目にかかれて大変嬉しく存じます)
絃「おはつに、、おめにかかれて大変嬉しくぞ、んじます…」
水神様「名前は」
絃「絃で御座います。」
水神様「何故此処に居たい」
絃「前の世界に居ても何も幸せでは無かったからです。」
水神様「居るための生活費用」
ソウ「18に成りましたら、私に嫁いで頂くご予定です。なので私の所で面倒を見ます」
水神様「もう心残りは無いんだな?」
絃「はい。」
水神様「良かろう。直ぐにでも儀式に取り掛かれ」
ソウ「大変有難く存じます。」
水神様「下がりなさい」
ソウ「畏まりました」

絃「ソウさん…儀式ってなんですか?」
ソウ「儀式というのは、過去を捨てて未来に生きるみたいな感じかな。直ぐに終わるよ。」
絃「記憶は…?」
ソウ「そのままだよ、そんな物語みたいなのにはならないよ。記憶は人生の欠片だからね」
絃「そうなんだ…」

使用人「絃さんこれにお着替えください」
絃「分かりました。でもどうやって着るんですか?」
使用人「私が着せることも可能ですが」
絃「お願いしたいです」
使用人「畏まりました」
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