暴君王子の恋の瞳に、私は映らない




高校に入って、初めてだなぁ。



学校に行きたくないって

心がギューギューに痛む朝は。





鞭光君に会わずに、学校に着きますように。



心の底から、願ったけれど……




「今日のむち君
 いつも以上に顔が怖いよ~」


「うっせー」



「もう、望愛(のあ)ったら。
 不機嫌な時のムッチーは、無視しなきゃ。
 可愛い望愛が噛みつかれちゃう確率、
 100%なんだから」




今、むち君って言った?


望愛ちゃんって言った?




も……もしや……




気になる会話に、足が固まり

交差点なのに、私は立ち止まってしまった。





その時……



ドンっ!!




横から歩いてきた男の子と、ぶつかってしまって

派手に、尻もち。




スカートをめいっぱい引っ張ったから

パンツがチラっは、免れたけれど……



は……は……

恥ずかしすぎだし///




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