【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。
命より大切なものなんて、ない。

⑦加害者でも、患者だから。



 それから数日後ーーー




「さくら先生。先日搬送されてきた患者さん、容態が安定してきました」

「そうですか。……良かった」

 先日のデートの時に緊急搬送してきた患者さんは、なんとか一命を取り留めてようやく容態が安定してきたようだった。

「……それであの、警察の方がお見えなんですけど」

「え、警察?」

 と問いかけると、看護師の米田さんは「はい。その患者さんのことで、聞きたいことがあると……」と言った。

「分かりました」

「警察の方、今ナースステーションの所でお待ち頂いてます」

「分かりました。すぐ行きます」

 わたしは白衣のポケットに手を入れて、そのままナースステーションへと向かった。

「すみません。お待たせしました」

 わたしはナースステーションにいるスーツの男性ニ人組に近づき、そう声をかけた。

「救命医の、楠さくらと申します」

「ああ、もしかしてあの時のお医者さんですか?」
 
 そう言われたわたしは、すぐに「はい」と返事をした。

「お忙しい所すみません。ちょっとお聞きしたいことがありまして」

「え?聞きたいこと……ですか?」
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