愛してしまったので離婚してください
「晶が照れると俺も照れるからやめろよ。」
ふと恥ずかしくなる瞬間に雅をみると、雅も耳まで真っ赤になっていた。

そして、水族館での最後の目的であった、売店。

その売店に入る直前に、私は聞こうと決めていたことがある。

急に立ち止まった私に、雅が心配になり顔を覗き込む。
「どうした?痛む?」
念のために痛み止めや抗生物質を飲んできている。
今日は服薬しなくても大丈夫なのではないかと思うくらい体調がいい。
「違う。大丈夫。聞きたいことがあって。」
体ごと雅に向ける。

改まる私に雅も体を向けてくれる。

「どっち?」
私の口から出た言葉に雅は一瞬、何を言われているかわからないようすだった。
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