幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
*第1章 *

アイドルには興味ありません。

「ねえ、どっちがタイプ⁉」

「私は唯斗くんかなぁ」

「断然、春馬くんでしょ!」



クラスの女子たちが人気アイドルグループについて、きゃあきゃあ言っている。


……朝から元気だなぁ。

なんて思いながら、私はあくびを噛み殺しながら教室に入った。



「おはよー」



朝の挨拶はしたけれど、まだ頭が夜って感じする。

昨日、夜更かししすぎたかなぁ。

だって、ダンスを踊っていると時間が経つのが早いんだもん。

始めると止まらないダンスへの意欲。

コンテスト出場……、とかじゃなくて完全に私の趣味。



「有村さん、おはよ!」

「おはよー。朝からテンション高いね」



私は苦笑しながらクラスメイトに挨拶をする。

テンションが高いクラスメイトの山下さんグループ。

その理由は聞かなくても分かる。

だって、彼女たちの机の上には、アイドル雑誌が何冊も置かれているから。

……って、よく見れば、全部同じ表紙の雑誌じゃん!
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