エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
信じたい
 豆電球のみの薄暗い寝室に、小型ヒーターの電熱線が赤く光っている。

 居間のテレビの音が小さく聞こえてくる中で、海翔が寝ていた。

 時刻は二十二時。

 やっと寝てくれたかと、瑞希は息をついて布団に身を起こした。

(鼻水が出ていると、なかなか寝てくれない。ズピズピ言って苦しそう。お薬、日曜までの分しかないから、月曜に病院にいかないと)

 季節は冬に入り、保育園で風邪が流行りだした。

 熱はないが喉が少々赤く鼻水が流れるように出るので、昨日近所の小児科を受診した。

 海翔が風邪を引くたび、瑞希は不安になる。

 風邪くらいでと思われるかもしれないが、ひとり親ではこの子を守り切れないんじゃないかと怖くなるのだ。

(お願い、早く治って……)

 布団の上に膝を抱えるようにして座り、海翔を見つめる。

 しばらくしてから時刻を確かめようとスマホを手にした。

 すると布施からメッセージが届いていた。

 海翔を寝かしつけるために消音モードにしていたため、気づかなかったのだ。

 フランス料理店で布施と会ったのはひと月ほど前のことで、SNSアプリで連絡が取れるようにした。

 それからは毎日のようにやり取りしている。

 内容はほとんど海翔の様子についてだ。

 トーク画面を開くと、【海翔の風邪の具合はどう?】というメッセージが。

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