おんぼろアパートに帰れば、ドンドンと乱暴に私の部屋のドアを『ドリームローン』の取り立て屋の八神さんが叩いていた。
私は彼の姿を電柱の後ろから見ていた。
「佐久間さん!!佐久間さん!!!ドリームローンです!!!居ませんか??」
静けさが漂う夜に響く彼のハスキーボイス。

そんなに乱暴に叩いたら、ドアがぶっ壊れるでしょ!?

部屋には戻れない…

どうしよう…



誰かが八神さんの姿にビビる私の腕を掴んだ。

「ほら、こっちに来い…麻莉」

「えっ!?」

私に忍び寄る大きな影にも驚いたが、訊き慣れた声で安心したのか声は出なかった。

「神戸社長?」

彼は私の腕を掴んで、停めていた自分の車の助手席に押し込んだ。

「此処で何をしてるんですか?」

「君を張り込みに来た…」

彼は私を容疑者扱いしていた。