魔女による王都の事件は、獣騎士団の活躍によって幕を下ろした。

その一報は陛下に報告されたのち、即座に王都中へ知らせが出された。獣騎士団の活躍を見ていた人々は、熱狂してみんなに熱く語ったのだった。

空に浮かんだ巨大な薔薇と共に、あの造花も一緒に消えた。

リズたちは陛下たちに労われたのち、休みを許されてそのまま王城から伯爵家別邸へと戻った。ジェドの両親たちは心配して帰りを待っていた。

「ああっ、無事でよかった! あなたたちの活躍は、城から出された速報で聞いています。カルロも、よくやりました!」

「おかえりー! 無事でほんっとうに良かった!」

ヴィクトルも喜び、アリスティアと一緒にリズを抱き締めた。真っ先にリズを出迎えた両親を前に、ジェドが作り笑顔に青筋を立てた。

「実の息子の方は、どうでもいいんですかね」

「どうせお前のことだから、うまくやったんでしょ? お前はそのモテすぎる顔に、少しくらい傷がついた方が落ち着くというものですわ」

浮気の可能性を指摘され、ジェドの笑顔がいよいよ氷点下になる。

コーマックたちが、あわあわと両者へ視線を往復させた。シモンが義娘と実子への温度差を見比べ、他人事で笑っている。