平凡な私の獣騎士団もふもふライフ４
仕事にも追われているが、結婚の準備にも確かにバタついている。

「そうだな。そのせいかもしれないな」

なるほどとジェドは顎を撫でる。それに……と思って届いた知らせと共にゴミ箱に放り投げた新聞を見やったら、コーマックが抱えていた書類をしまいつつ言う。

「このタイミングで王都、ということもあって気にしているんですか？」

「問題はないと思うんだがな。そもそも俺は、この手あいの話題は〝嫌い〟なんだ。知っているだろう。なんの利もない貴族の噂話以上にくだらない」

ジェドは普段より刺のある声で言ってしまった。

少し前から報告は聞いていたが、最近は騒がしさを増しているらしい。おかげで王都は、近隣地域からもより人が大勢集まっている状況なのだとか。

騎獣してくるのなら、着地は別邸の方がいいだろうと先程追って知らせが来ていた。一部の者たちは、その話題を不安にも思っているのだとか。

「魔女か――バカバカしい」

ジェドは冷ややかに切り捨てると、立ち上がった。


< 4 / 213 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop