俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~
毒づかれるより優しくされたい

 みなとみらいの夜景が見えるリビングのコーディネートは、私たちが好きな温かみのある北欧風。テーブルには私が買い足したスウェーデンのブランドのお皿と、彼が選んだマグカップがふたつずつ。

 一般的には愛の巣と呼ばれる、私たち夫婦が暮らすこのマンションの一室に、今はなんとも言えない緊張感が漂っている。

 トイレを出てリビングへ向かうと、性格はともかく容姿は完璧な男性が、手持ち無沙汰で窓の外を眺めていた。

 ふんわりとしたショートヘアが、少し垂れ目の中性的な美顔によく似合っている。白衣を着ていないと、メンズなんたらのモデルみたいだ。

 そんな彼は、やや緊張して表情を強張らせている私の隣にやってくる。彼と目配せをしたあと一度深呼吸をして、手に持った細長いスティックにふたりで目線を落とした。

 視界に映ったものは、小窓にくっきりと現れた青色の縦線。

 それを見た瞬間、彼は目を見開き、私は思わず「きゃあ〜!」と叫んだ。

 私、妊娠しているんだ。旦那様である彼、(さかえ) 律貴(りつき)との子を。
< 1 / 166 >

この作品をシェア

pagetop