天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~



発作はどんどんひどくなる。


きっと私の体は半年も持たないだろう。


ずっと側にいた紅蓮もそれを悟ったようで私から離れた。


玲心が来た時に聞いてみると、婚儀の準備に入ったそうだ。


あんまりだ。私はまだここにいるのに。


まだ生きているのに。


「あんまりよ…紅蓮」


涙する私を玲心が励ました。


ああ、頭が痛い。どんどん自分がわからなくなる。


玲心の言う通り紅蓮は、その後、姿を現さなくなった。




< 258 / 276 >

この作品をシェア

pagetop