相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
離婚を賭けて
奏弥さんの同意を得られないまま…月日は過ぎて行く。

常盤さんの三つ子ちゃん達は無事に誕生したが、三人とも千グラム以下の低体重で予断は許されなかった。

「奏弥さん」

私は相良さんと廊下で立ち話する奏弥さんに歩み寄って行った。
「何だ?遥」

相良さんが奏多君のパパ…

由夢からそう訊かされた。

「・・・相良さんが奏多君のパパなんですか?」
と不躾に訊いてしまった。
でも、相良さんは快く返してくれた。
「え、あ・・・うん」

「そうなんですか…」
やっぱりそうなのか・・・

これで、奏多君の為に奏弥さんが駆り出されるコトもなくなる。

「そうなんだ…もう三人で暮らしてるらしいよ…」


三人家族…

そのワードに私は敏感に反応する。

「そう言えば。二人には子供居ないのか?」

悪気はないけど、訊きたくない言葉。

< 113 / 212 >

この作品をシェア

pagetop