天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
5、先生の魔法
ピピッと目覚まし時計のアラームが鳴る。
すぐに手を伸ばしてアラームを解除すると、ベッドから起き上がった。
「よく寝た」
両腕を伸ばしてストレッチをする。
夢も見ずにいっぱい寝たからか、もう身体は怠くないし、熱っぽくもない。
念のため体温計で熱を測ると、平熱だった。
「今日は会社に行ける」
ホッとして寝室を出ると、シャワーをサッと浴びて軽く朝食を食べる。
買い物に行っていないからご飯にレトルトの味噌汁とサバの缶詰という質素なメニュー。
今日こそは買い物に行こうと決意をしたが、その時昨日氷室先生が作ってくれたお粥やお握りのことを思い出した。
「すっかり先生にお世話になっちゃったな」
もし先生がいなかったら、まだ熱で寝ていたかもしれない。
しかも、お兄ちゃんの対応までしてくれて、もし先生がいなかったら家にあげろって言われて説教されただろう。
私が治ったのは先生のお陰だ。
なにかお礼をしたい。
朝食を食べ終わると、おかか味のお握りを作ってお弁当を作った。
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