夜8時過ぎ、待ちかねたノックの音が響いた。

 ドアを開けたとたん、わたしは目を丸くした。

 大洋の装いがあまりにも麗しくて度肝を抜かれてしまった。
 伸びた前髪をきれいに後ろに流し、細いストライプの入ったシックなネイビーのスーツを着こなしている。

 昨日のくたびれた様子と比べたら、まるで別人だ。

 男性ファッション誌から抜け出てきたような姿に思わず見とれてしまって、わたしは言葉を忘れた。

 大洋は、さらに後ろに隠していた花束を差し出した。

 スイートピーと淡い紫の花がセンスよく束ねられている。

「しっかりした大人なんだけど、かわいいところのある人にあげたいって言ったら、これ作ってくれたんだ」

「綺麗……」