Stargazer
永遠に君を愛したい
初冬の夜、戦場地であったとしても星は綺麗に輝いている。あそこに見えるのはくじら座だろうか。星好きな中佐が前に教えてくれたが、天文学はさっぱりである。

私は軍に所属する兵士だ。国を平和に導くことこそが幸せなのだと両親に言われ、性別や名前を捨てて、男と性別を偽って日々戦っている。重い銃を手にし、体が巨大な敵と戦い、平和へと導いている。

従軍して早三年。私が女であるということは、たった一人を除いて誰も知らない。そう、たった一人には従軍した当初からバレてしまった。

「お呼びでしょうか、中佐」

「うん、呼び出したよ。君のこと」

私の正体を知っているのは、私たちの隊を率いているボンド中佐ただ一人だ。いつ敵が奇襲をかけてくるかわからないこの状況でも微笑み、星を見上げている。

中佐の家系は、代々軍人として戦場で活躍し、立派な戦死を遂げた人もいる。そんな家に生まれたのに、ボンド中佐は軍人らしくない。いい意味でも、悪い意味でも。
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