俺の言うとおりにしてください、お嬢様。

エリートvs婚約者





「とうとうおじいさんにまで辞められちゃったみたいよ?」


「もう執事なんて持たないほうがいいんじゃないの?」



うんうん、わたしもそう思う。


けど今回だけはちょっとだけ違いますーだ。

おじいちゃんは入院してるから、退院したら戻ってきてくれるっ!……たぶん。



「ねぇバカエマ、もう早瀬さんに“戻ってきて~大好き~”ってすがり付けばいいじゃない」



いきなり何を言うの、この友達は。

そんなことしたってお姉ちゃんが許さない。というよりお姉ちゃんの専属執事&許嫁だからっ!!

…って何度言わなきゃなの、この台詞。



「早瀬さんは案外それを待ってるだけかもしれないわよ?」


「…あるわけない。あっさりお姉ちゃんを選んだ男だもん、あるわけないねっ」


「私の勘って意外と当たるのよ」



知らない、そんなの知らないよ理沙。

ならそれだけはハズレるねきっと。


それよりもわたしは、もうわたしなんかの執事になってくれる人はさすがにいないんじゃないかと思ってきた。

だからクラスメイトが言ってたように、執事なんか最初から持たないほうがいい気がする。



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