目が覚めると目の前に白い天井があった。

あ、病院かも。

朦朧とする意識の中、横を向くと隣には加賀美くんがベッドサイドに座り私の手を握り眠っていた。

加賀美くん?

私が動いたことに気がついたのか加賀美くんは目を覚ました。

「ごめんね、また倒れちゃったんだね」

「大丈夫か?たまたま階段の近くにいたやつが物音に気がついて見つけてくれたんだ」

「そうだったんだ。また迷惑かけちゃったね」

「迷惑じゃない。俺がちゃんと保健室まで付き添えばよかったよ。阿川にそんなに会いたくないならどうして今日休まなかったんだ」

「悠介のことだけじゃないよ」

「後はなんだ?」

「言いたくない」

私はそういうと布団を被った。
もうこれ以上聞かないで欲しかった。
さっきいわれた言葉が頭を巡りまた苦しくなりそうだった。

「俺に教えてくれないか?俺は槇村の味方だ。世界中誰が敵でもお前を守ってやる」

布団の中で加賀美くんの声が聞こえてきた。

「槇村は頑張りやだよ。そんなお前がここまで思い詰めるなんて何かあるんだよな。俺に教えてくれないか。俺がお前を守ったらダメか?」

加賀美くんの言葉に私は喉の奥が締め付けられるような気持ちになった。

「なぁ、俺はお前が好きだよ。結婚するって聞いた時どうしたらいいかわからなかった。まさか槇村が誰かに取られるなんて思ってもみなかったんだ。そんなお前が結婚しなかったと聞いて内心どれだけ嬉しかったか。お前が傷ついたのに酷いよな。今さらいうなんて卑怯だよな」

私は何も言えない。
布団をかぶり、加賀美くんのいう言葉に耳を傾ける。彼の一言一言に胸が熱くなる。
布団を握りしめた手を加賀美くんの手が包み込む。

「槇村は俺にとって唯一無二の存在だよ。他の誰とも一緒じゃない。お前にはライバルだとか色々いわれるけど、それはお前だからで、他の奴はどうでもいいから外面しかみせてないんだ。最初からお前は特別だった」

加賀美くんの言葉一つに私が揺さぶられる。
どれだけ私のことを思っていてくれたのかを話す彼の言葉に目尻から涙がこぼれ落ちた。

「槇村は俺のことなんてなんとも思っていないだろ。けどさ、俺のことをちゃんと見てくれないか。俺はお前のことを守ってやりたい。もう誰にも取られたくない。素直な気持を言わないとお前はまた俺のそばからいなくなるだろ。もう後悔はしたくないんだ」

ここまで言ってもらって、私は何も言わないで終わっていいのかな。
でも、なんていえばいいのかな。
私の中で何かが弾ける。