猫目先輩の甘い眼差し
運命の王子様とお姫様
◇◇



翌日の日曜日。



「へぇ、洋菓子も売ってるんだ」

「うん。売り場は小さいけど、すごく人気で、毎日完売してるんだよ」



学校に届いたケーキを樫尾くんと一緒に教室へ運ぶ。


かごいっぱいに敷き詰められたロールケーキ。

樫尾くんが持つかごには、フィナンシェとマドレーヌが入っている。

彼いわく、バイト先であるお菓子屋さんの商品なんだそう。



「毎日かぁ。全部売り切れるか心配だなぁ」

「大丈夫。ここのケーキ、マジで美味いから。もし残ったら俺が全部買い取るよ」



自信満々に言い切った樫尾くん。

冗談かと思ったら、どうやら本気の様子。



「まさか、1人で全部食べるつもり?」

「いや、さすがにそれは無理があるから、ルームメイトに配るつもり。お店の宣伝にもなるし」

「わぁ、ちゃっかりしてる~」



昨日、私達はお互いに抱えていた思いを伝え合った。

そのおかげもあってか、今朝はスッキリ目覚めることができた。



「ただいま〜。月香ちゃん、お願い!」

「はーい! 任せて!」
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