猫目先輩の甘い眼差し


「で、次が、この前言ってた椅子とテーブル!」

「おおーっ。間に合って良かったね!」



おめでとうのハイタッチを交わす。


春休みからコツコツと作り始めたと言っていた、椅子とテーブル。

毎日短時間ずつ作業し、バーベキュー当日の3日前に完成したとのこと。


おじいちゃんとおばあちゃんに感動されて、お礼にお小遣いを貰ったんだって。



「また傑作見てるの?」



すると、頭上から久しぶりに聞く低い声が降ってきた。



「うん。今回は春休みから作り上げた大傑作だよ!」

「マジ? 俺も見ていい?」

「どうぞどうぞ〜」



ニコニコ笑顔で場所を空けた月香ちゃん。


先月までは王様扱いだったけれど、毎日交流を重ね、ようやく緊張が抜けたらしい。

努力が実って良かったね!



「みんなでバーベキューか。いいなぁ。羨ましい」

「樫尾くんはGW何したの?」

「ほとんどバイトしてたよ。あとは、部活仲間と一緒にご飯食べたかな」

「へぇ、バイトしてるんだ。何系のバイトなの?」

「接客。お菓子屋さんでカステラ売ってた」
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