「刹那さんは、過保護な上に心配性だね」
「うん、そうだよ。離れてると心配で堪らない。
変な輩がマンションに来てないかなとか、買い物中ナンパされてないかなとか、誘拐されてないかなとか……まぁ色々…」

「輩って……
なんか、刹那さんってお父さんみたい(笑)
私は子どもじゃないよ?」
「わかってるよ。でも恋をすると不安は付き物だよ?」
首を傾げて、都麦の顔を覗き込んだ刹那。

「そうだね。でも私、大丈夫だよ。
マンションはオートロックだし、コンシェルジュさんいるでしょ?
ナンパだってされたことないし、誘拐なんて……」
刹那に心配をかけないようにと、都麦も微笑んだ。

「でも心配…」
「うーん。
刹那さんは、どうすれば心配しない?」
「ん?そうだなぁ。“ホウレンソウ”だね!」
「……????はい?
何?それ。ほうれん草?」
「フフ…つむちゃんは、若いから知らないのかな?
報告・連絡・相談だよ!」
「あー、だから“ホウレンソウ”!」
「ほんとはね、ビジネスで使う事柄だけど、僕達の場合は違うよ!
つむちゃんが何をするにも、一度僕に連絡して報告して、相談してほしいってこと。
要は、僕の許可を得てほしいなって!」
「ん?
……ってことは、私は刹那さんの許可無しでは行動できないの?」
「まぁ、そうなるね」
「………」
都麦は思わず、フリーズする。

「つむちゃん?
嫌だよね。ごめんね、いつも通り毎朝一日の予定を教えてくれるだけでいいよ!」
「………わかった!刹那さんが言うなら、ホウレンソウする!」
「え……?」
「それで、刹那さんが少しでも安心するなら!」
「………自分で言っといてなんだけど、いいの?」
「うん!基本的には毎朝一日の予定を教えて、変更があればその都度連絡すればいいんだよね?」

正直都麦は、あまりいい気はしなかった。
でも“刹那に嫌われたくない”その一心だった。
だから刹那が望むことは、全てするつもりでいた。