片恋
誤解とすれ違い
「ほらほら、もうチャイム鳴っただろ。みんな、席に着くように」

「!!」


次の授業担当の男性教諭が教室に入ってきたことで、私はハッと目が覚めたように、意識を戻した。


教室中の生徒が、慌てて自分の席に戻っていく。

たった今、フラれた形になってしまったはるかさんは、友達が「行こう!」と手を引いて、教室から出ていった。


「あっ……!」


私がかろうじて出せた声はこれだけで、弁明も出来なかった。

はるかさんの友達は、去り際に私を睨みつけた。
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