「━━━━うん、それ等を纏めといてよ!」
今、命はリモートで事務所にいる麻人と話しながら仕事をしている。
白羽はその後ろで、命の手伝いをしていた。

『はい。わかりました。じゃあ、纏めたらそっちに持っていきます。他に何か持ってく物ありますか?
ついでに買い物とか……』
「ないよ。ヤス、気が利くね!」
『いえ。では、後程…』

二時間程話していて、白羽はその間2人の会話をジッと見つめていた。
命が通話を切ったのを確認した白羽は、命の方へ向かった。
「命さん」
命の服をつまんで、キュッと引っ張った。

「ん?」
「ギュってしてください」
そう言って、両手を広げた。

「フフ…可愛い~いいよ!おいで?」
命の膝の上に跨がった。
「はぁ…命さんの匂い…好き…」
「うん…ごめんね、寂しかった?」
「はい…でも、お仕事なのでしょうがないです」

「じゃあ、しばらくギューーってしてようね!」
「…………命さん」
「ん?」
「安居さんのこと、好きなんですか?」
「は?」
「物凄く、褒めるから。
黒崎さんならわかりますよ?黒崎さんは、ずっと支えてくれてる方だから!
それに、黒崎さんには時々怒ったりするでしょ?
“クロ、お前その首切り落とすよ”とか」

「ヤスはまだ、信用するに値してないよ。
まぁ、真面目でよく気が利くとは思うけど。
確かにクロのことは信用してる。
あいつは俺を裏切れないから」
「それ、黒崎さんも言ってました。
命さんは命の恩人だって」

「そうだね。俺が拾ったの、クロを。
あいつ、本当に捨て猫みたいに公園に捨てられてたんだよ?親に捨てられたって言ってた。
俺に似てたんだ。ただ息をしてるだけの人形。
だから、拾った。
その時、クロは15歳だった。
俺が全部面倒見てやるから、高校卒業したら俺の全てを支えろって言って、仕事も一から教えたの」

「そうなんですね……黒崎さんも、地獄を見たんですね……」
「そうだね」
「だからかな?
命さんと黒崎さん、兄弟みたいですもんね!
あ!一徹さんも入れて三兄弟だ!」

「そうだね。でも俺は、白羽しかいらない」

「………私も、命さんだけでいい」
二人はしばらく、抱き締め合っていた。