「ありがたいお話ですが。少し考えさせていただけないでしょうか」
 やんわりと言う。イブライムを刺激しないように。

「突然で驚かせてしまったね」
 アイリーンは頷きここでカーナの言葉を思い出した。

『物語を作るのは好きだけれど、登場人物になりたくはない』

 まさしく、その状況。フランシスがイブライムに嫉妬させようとして、こんなことをしているのだ。やめて欲しい。

「またね」
 アイリーンの手を放して、フランシスは言う。

「あ、はい。お邪魔しました」
 ペコリと頭を下げて、その場を去るアイリーン。

 生徒会室に残されたのはフランシスとイブライム。どんな会話が繰り広げられるのか、アイリーンとしては気になるところだけれど。残念ながら、彼女が想像しているような甘い会話は交わされていない。